
何が変わるの?住宅2025年問題
2023年3月20日(月曜日)
観光地の建物や商業施設等の客用トイレに並んだことのある方は多いはず。特に女性用トイレには何故か行列ができやすい。これについて、日経アーキテクチュア2020-2-13に「トイレが足りない!」という記事が掲載されました。便器などの設置個数についてはちゃんと算定方法があり、それに基づいて設計されたはずなのに、何故行列ができるのでしょうか?
実は、その算定式に当てはめる利用者数などは設計者の経験や判断に委ねられていて、そこに見込み違いが起きているのです。トイレに行列ができる要因としては、①便器の数が足りない、②利用者の男女比や利用者が求める機能が適切に盛り込まれていない、③トイレの配置や導線計画が悪く、設備や装置等も使いにくいため回転率が悪い等が考えられます。
①施設の特性に合った便器の数が正しく設計されていないのは論外ですが、②利用者の男女比を1:1で設計しても実際の利用客がほとんど女性であれば、トイレに行列ができるのは当たり前です。そして③については特に見落としがちな要因であり、便器の数や男女比は想定通りであっても、導線が悪いと利用者が交錯してロスタイムが発生し、一人当たりの利用時間が増えてしまいます。また、荷物を掛けるフックや操作ボタンの位置が分かり難くても同じことです。
③を解消するためには、上の写真のようにトイレを一方通行にするとか、空き室を分かりやすくするのが有効です。また、ブース内の広さや設備の位置など利用者目線で設計することも大切です。実際に、北上市文化交流センターさくらホールでは、大ホールのトイレブースに遠くからでも一目で「空き」がわかるように工夫を施した結果、回転率が改善しました。また、同市の江釣子ショッピングセンターPALでは、トイレの設備を充実させるだけでなく、内装やレイアウトを工夫することにより、お客様満足度が増し、施設の評価が高まりました。アーキテクチュアには、商業施設選びにトイレが大きく関係する調査データも紹介されています。
(文献:日経アーキテクチュア2020-2-13)
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