地盤沈下|軽い建物でも基礎が下がる?!
2017年8月24日(木曜日)
建物が軽く、地盤反力が小さいのに、何故か基礎が沈下してしまったということはないでしょうか。もしかするとそこに、計画上の間違いがあるかもしれません。
低層の木造や鉄骨造の建物は、基礎面積を大きくすることによって小さな支持力度の地盤で支持出来ることになります。50kN/㎡以下なら根切底の転圧のみで足りることもあり、軽い建物については「接地圧を地盤の許容支持力度以下にすることだけ注意すれば、強固な支持層がなくても直接基礎で大丈夫」と考えるようになっていませんか。実は、ここが要注意。
そもそも地盤には「即時沈下」と「圧密沈下」の2種類の沈下の性質があり、前者は載荷によって短時間で起きる沈下で、工事完了には既に完了しています。これに対し後者は、地盤内の間隙水が徐々に排水される等の圧密現象によって生じる沈下で、完了するまでに長い時間を要します。したがって直接基礎の地盤は、圧密沈下を起こさない地層を選定しなければなりません。盛土した造成地等では、圧密沈下が完了しているかどうかに注意が必要です。
上図のように、傾斜地を掘削し、敷地の半分を盛土したような造成地では、盛土部分の圧密沈下を想定しておくべきでしょう。それを怠り、全域を同じ基礎で施工すると、盛土エリアだけ不同沈下を起こし、建物が傾斜したり、亀裂が入ったりしてしまいます。盛土エリアの基礎については、盛土下の地盤に達するまで地盤改良を施す等の措置が必要です。
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