新耐震グレーゾーン木造住宅とは

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新耐震グレーゾーン木造住宅とは

2023年2月28日(火曜日) テーマ:★建築情報をみる・耐震

   昭和56年に建物の新耐震基準が施行され、それ以降の建物は耐震性能が向上して安全になったと思ってはいないでしょうか?しかし、この新耐震基準で強化された構造形式は主に鉄筋コンクリート造や鉄骨造であり、木造住宅については平成12年(2000年)になってやっと新耐震と呼べる基準が制定されたのです。

   これに注目した(一社)東京都建築士事務所協会は、木造耐震(2000年問題)ワーキンググループを立ち上げ、昭和56年から平成12年までの間に建てられた木造住宅を「グレーゾーン住宅」と呼んで調査研究を行いました。その報告書が2022年11月に完成し、現在「新耐震グレーゾーン木造住宅耐震化促進についての提案」として全国に紹介されています。

グレーゾーン.jpg
   ここでいう木造住宅とは2階建て以下の在来軸組工法で建てられた住宅を言います。昭和56年の法改正では壁量の規定の引き上げはありましたが、柱梁接合部の金物仕様や耐力壁のバランス配置、基礎の詳細な仕様等はまだ定められていませんでした。つまり新耐震以降の建物だからといって、必ずしも耐震性が十分とは言えないのです。
   太陽光パネルや外壁の二重構造・断熱窓など建物重量の増大も考慮すると、グレーゾーン時期に建てられた住宅は、耐震診断で安全性を確認しておく必要がありそうです。しかも構造材が被覆されているものが多いため、旧基準で耐力が足りない場合はセンサーを用いて金物を調査するなど、詳細な調査が必要です。
【文献:(一社)東京都建築士事務所協会/木造耐震2000年問題WG「新耐震グレーゾーン木造住宅耐震化促進についての提案」】

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