構造設計にもAI導入!
2023年12月26日(火曜日)
建築技術の12月号に「建築技術の情報革命」というタイトルで、建築と急速に発展し続ける情報技術の関係について特集が掲載されました。ここでは、その中の「ファシリティマネジメント(FM)への情報技術の活用法」について紹介します。
ファシリティマネジメント(FM)とは、土地や建物を最適な(コストをかけずに効果を発揮する)状態で維持し、活用するための経営活動のことですが、FMと情報技術にはどのような関係があるのでしょうか。
米国で発行された建築と情報に関する二つの報告書によると「建設プロジェクトでよく起こる工期延長と予算超過の原因が、関係者間の協調欠如と情報統合の不足である」ことや「製造業やサービス業に変革をもたらした情報技術が、建設産業では活用されていない」ことを指摘しています。そして、それによる無駄(損失)の2/3を建物の所有者が負担し、その85%が建物完成後の運用段階で発生していることも述べられています。これは建物の所有者にとって見過ごしできない問題です。
その原因のひとつに、受注者から発注者への建築情報の受け渡し方法があります。これまで多くの建物は、3次元の情報を完成図という2次元の情報に置き換えて引き渡されました。しかし、3次元を2次元で表現するためには複数の図面が必要になり、不整合が発生しやすい。それを読み解くためには専門的な知識と訓練が必要ですが、発注者には十分なスキルがありません。たとえCADデータで引き渡しても、この問題は解決できないのです。
情報技術が発展した現在、これを解決してくれるのがBIMです。日本ファシリティマネジメント協会は「ファシリティマネジメントのためのBIMガイドライン」を発行しました。BIMは、建物を構成するすべての要素(部材や機器)の形状と属性(仕様、材質、位置情報等)を提供してくれるので、ファシリティーマネージャーが建物情報を入手するツールとしてとても役立ちます。これらの静的な情報と、それらがどのように使われているかといった(IoT等による)動的な情報を一緒に分析することで、高度なFMが可能になるのです。
近い将来、建物情報はBIMで引き渡すような時代がやってくると考えられます。
(参考文献:建築技術2019-12)
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