
床下の結露|設計段階で要チェック
2024年4月30日(火曜日)
イギリスのPM(プロジェクトマネジメント)会社ターナー&タウンゼット㈱でプロジェクトマネージャーを務める黒川めぐみ氏が、建築雑誌2021年6月号に「国際化を背景にした日本の設計・施工プロセスの孤立化」というタイトルで、BIMの活用に関して日本の建築業界のグローバル化の必要性を提言しています。
本来BIMは、建築プロジェクトの初期段階から完了後のメンテナンスまで、各専門マネージャーが膨大なデータを統合するためにあるべくして発展して来ました。つまり、建築業界全体でクライアント・設計者・施行者が統合的に活用するためのプラットフォームであり、世界では、BIMを活用してコストやスケール、人工や数量といった様々な情報を統合管理することが当たり前になりつつあります。
しかし日本では、各企業の技術開発をアピールする道具になりがちで、建築業界全体を統合するプラットフォームに向かってはいません。その使い方についても、施工段階において最終的な総合図を収めるために使われ、BIM本来の機能が活かされていません。日本の建築産業は各個人の統合力と経験に頼りがちであり、クライアントは海外に比べ説明性と透明性を追求しないという特色があるようです。
黒川氏は、このままBIMの活用がされにくい状況が続けば、日本の若者が世界で活躍する機会を失う可能性が高いと警鐘を鳴らしています。日本が世界に通用する市場となるためには、プロジェクトの初期段階でどのBIMソフトを活用するかを決め、多くの関係者が目的に沿った使い方ができるようにするなど、建築業界のグローバル化に向けた意識改革が必要なのかもしれません。
(参考文献:建築雑誌2021年6月号)
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