
特定天井|地震被害と改修方法
2024年5月29日(水曜日)
国土交通省は、平成24年7月31日に「建築物における天井脱落対策試案」を公表し、耐震天井の技術基準の原案を示しました。24年度中にも、建築関係法令を改正し、新たに告示を定める方針です。したがって、今後は建築確認の段階で天井の安全性をチェックすることになります。耐震性の確保について今までよりも規制が強化されるわけです。
対象となる天井は、高さ6m以上かつ面積200㎡以上で、重さが6~20kg/㎡の吊り天井です。したがって体育館や大き目のホール等は要チェックです。
主な技術基準は、次のとおり
・吊ボルトは1本/㎡以上(下図③)
・天井裏の吊り高さは3m以下(下図④)
・吊り高さ50cm以上では水平補剛(振れ止め)が必要(下図⑦)
・斜め部材(筋かい)はXY両方向にV字型で配置(下図⑧)
・斜め部材(筋かい)は天井面に対して60度以下(下図⑩)
・吊り材、斜め部材等の接合部の緊結(下図⑥⑨)
・天井材は相互に緊結(下図⑤)
・天井と壁及び設備機器の間に10cm以上のクリアランス(下図⑪)
・地震時に一体的に動かない部分は一体構造としない(下図⑫⑬)
尚、これらの仕様を適用しない場合や、重さが20kg/㎡を超す天井の場合は、構造計算による耐震安全性の検証が必要になります。
(文献:日経アーキテクチュア2012-8-25)
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