床下の結露|設計段階で要チェック
2024年4月30日(火曜日)
日時連2022年3月号に秋野卓生弁護士による「落雪と瑕疵に関する判例の解説」が掲載されました。もし、自分の家の屋根に雪止めが設置されていなかったため、雪が隣の敷地内に落ちて建物や自動車等を破損した場合は、誰に責任があるのでしょうか?設計図に示さなかった設計者又は施工者か、それを要求しなかった自分か、それとも自然災害か?これについてはケースバイケースで一律に誰に瑕疵があるとは言えないようです。
裁判所は「建物が降雪等の自然現象に対して備えるべき安全性は、その土地の自然現象の頻度や程度に応じて判断する」としていますので、あまり降雪しない地域で観測史上最大規模の積雪量を記録したときに発生した事故等の場合は予想できなかった自然現象と判断されるようです。
しかし、豪雪地帯で一定の落雪対策を講じることを条例で義務付けされている場合は、雪止めを設置しなかったことが設計や施工のミス(瑕疵)と判断される可能性があります。また、仮に条例の定めがなくても降雪量の多い地域では、予見可能な事態に対して対策が取られていないという点で「備えるべき安全性」に欠けるとして瑕疵と評価され、建物の所有者に賠償責任が生じる場合があるので注意が必要です。
雪止めの取付は専門的な知識が必要な上、危険を伴う作業なので、建物を隣地に接近させて建てる場合は、忘れずに雪止めの設置を設計図や工事仕様書に盛り込んでおくことが大切です。
(文献:日事連2022年3月号)
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