床下の結露|設計段階で要チェック
2024年4月30日(火曜日)
日経アーキテクチュア2024-5-9号に能登半島地震で発生した大規模天井の被害と改修方法が掲載されました。
被災事例1は、システム天井のグラスウールボードやワイヤメッシュが落下したもので、耐震改修を行っていませんでした。
被災事例2は、耐震改修工事をしようとした矢先に地震が発生し、文化会館の大ホール客席天井で吊りボルトが外れる等の被害が生まれたものです。
そもそも、次のいずれにも該当する天井は「特定天井」として求められる安全性を確保しておく必要があります。
・人が日常立ち入る場所に設けられた吊り天井
・高さが6mを超える部分の面積が200㎡を超えるもの
・天井全体の重量が2kg/㎡を超えるもの
しかし、既存建物は増改築の際にこれに対応することになっているため、未だ耐震改修が済んでいない建物があることを忘れてはいけません。2013年に改正された建築基準法施行令で示された技術基準に基づき各地で様々な改修工事がされているようですが、宮城県白石市文化体育活動センターでは、吊り材を使わず天井下地材を直接構造部材に固定する方法が採用されました。次の図のように、本体の鉄骨と天井の間に天井下地を固定する支持構造材(C形鋼)や受梁(H形鋼)を設けて吊りボルトをすべて撤去したのです。これにより天井面に作用する水平震度が0.5から1.0ほどの地震動に耐えられるようになったそうで、正に理想的な耐震改修と言えるでしょう。今後、特定天井には吊り材を使わない建物が一般的になるかもしれませんね。
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