能登半島地震に耐えた免振構造

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能登半島地震に耐えた免振構造

2024年2月14日(水曜日) テーマ:★建築情報をみる・耐震

   日経アーチテクチュア2024-2-8に能登半島地震で震度6強の揺れに耐えた恵寿総合病院の免震構造が紹介されました。この病院は地下に免振層を設けるほか、液状化対策として格子状地盤改良工法も採用しており、震災から1時間もたたないうちに医療活動を再開しました。免震構造が採用されたのはこの病院の本館であり、渡り廊下でつながる3病棟(耐震補強済み)と5病棟(新耐震構造)はいずれも外壁にひび割れ等の被害が生じました。それに対し、本館は医療機器の転倒どころか棚にあった本ひとつ落ちなかったとのこと。3病棟と5病棟の入院患者については、全員本館に移動し、4時間後には患者に夕食を提供できました。

免震病院①.jpg

地下の免震構造↑

 

免震病院②.jpg
恵寿総合病院本館↑

   地震発生後、免振建物の被害状況を調査した東京工業大学名誉教授の和田章氏は、この病院を「免震構造により大地震でも機能を維持できた貴重な事例」として評価しています。免震構造を採用すると地震力が低減されるため、設計の自由度が高まる上、構造部材を小さくできるので、うまく設計すれば建設コストを抑えることもできるとも仰っています。
   災害時に機能を維持しなければならない建物は、すべて免震構造を前提に設計するべきなのかもしれませんね。

(文献:日経アーチテクチュア2024-2-8)



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