
床下の結露|設計段階で要チェック
2024年4月30日(火曜日)
片流れ屋根はシンプルな屋根形状なので雨漏りが起きにくいと思っていませんか?実は雨漏りの7割以上が片流れ屋根で起きていて、日経アーキテクチュア2021-2-11に「片流れ屋根で雨漏り被害」という記事が紹介されました。特に金属屋根は注意が必要です。ではどんなところから雨漏りが発生するのでしょうか?
縦ハゼ葺きの金属屋根には、周囲に「唐草」という水切りが取り付けられます。最近では下図のように破風板から野地板を突き出し、そこに唐草を取り付けただけの建物が見受けられるようになりました。本来は破風板の上端に「広小舞」という角材を取り付け、それに唐草を取り付けるものなのです。更には、破風板を同じ金属板で包み、唐草に連結して防水性を高めます。しかし、コストダウンのため、これらを省略する建物が増えたようです。
それにより、下から見上げると(次の写真のように)野地板の裏面が露出していることが分かります。野地板は合板を使用することが多く、水分によって劣化しやすいため、このような納まりは良くありません。特に水上側では、強風によってここから雨水が侵入し、野地板の裏面を伝わって室内に流れ込むのです。
一方、金属屋根には折り曲げ加工が付き物で、その端部は必ずカット処理を施さなければなりません。そこには(次の写真のような)ピンホール(小さな隙間)が生じやすく、これが水上にあると雨水が侵入します。
片流れ屋根の雨漏り被害は、これらのように水上の隙間が原因になることが多いのです。これを放置しておくと野地板や屋根の構造まで傷めてしまい、最悪は屋根を葺き替えることになりかねません。費用をかけても、正しい納まりを施すことが大切です。
(文献:日経アーキテクチュア2021-2-11)
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